議事録は、会議の内容や決定事項を確認・伝達するためのもので、企業や組織にとって重要な書類のひとつです。
議事録には特有の書き方があるため、慣れない人、作成が苦手という人も多いでしょう。
この記事では、議事録を上手に書くためのコツや必須の記載項目などを解説します。
議事録を上手に書くための7つのコツ
議事録の書き方、上手に書くための7つのコツを解説していきます。
話者、誰が話しているのかを明確にする
会議では、何を話したかという内容も大切ですが、誰が話したかという会話の主体も重要です。
上役が話した内容か、現場の技術者か、あるいはクライアントが話したものかによって、発言の意味合いが変わってくることもあります。
録音した音声データを文字起こしする場合、会話の内容は分かってもそれが誰の発言であるかはっきり聞き取れない場合も出てくるので、重要な発言については、それが誰のものであるか後からでも確認できるよう記録しておくようにしましょう。
誰の発言かを明確にすることは、議事録作成の基本ですので忘れないようにしましょう。
敬称は省く
議事録では誰の発言かを記載する必要がありますが、「さん」「くん」「様」などの敬称は基本的には記載しません。情報をすっきりとさせて、読みやすい文章にするためです。
ただし、文書内に「敬称略」と記載するのを忘れないようにしましょう。
また、会議に得意先などのお客様や組織外の人が参加する場合は、議事録にも敬称を付ける必要があります。出席者の立場や関係性については、議事録作成段階でしっかりと確認が取れるようにしておきましょう。
省略されている言葉を補足する
会議中の発言をそのまま文章にするだけでは、主語や述語が省略されているなどして、後から意味が正しく伝わらないことがあります。
例えば、「君がやっておいて」「それでいこう」などの発言をそのまま議事録に記しただけでは、誰がやるのか、何をするのかが伝わりません。
議事録では「A君がやっておいて」「B案でいこう」など、省略された内容を記載する必要があります。
ただし、発言の意図が変わってしまわないよう、重要な部分の内容が不確かな場合は、発言者などに議事録作成前に確認を取るようにしましょう。
やるべきことや決まったことは必ず記載する
会議での発言は、本筋に関連のない不要なものもあるため、一言一句をすべて議事録に残す必要はありません。
何を記載すべきか判断に迷うようであれば、「決まったこと」と「やるべきこと」を必ず残すようにすると間違いがないでしょう。
会議は、参加者が議題について話し合い、決定するために開催します。もっとも重要なのは「何を決めたか」「どう決まったか」です。
「やるべきこと」と「決まったこと」については、項目を分けて箇条書きにすると分かりやすくなります。
改行や余白を意識する
改行や余白が少ない文章は読みにくく、読んで理解するのに集中力が必要となります。
重要な部分を読み落とす、頭に内容が入らないといったことがないよう、改行や余白を適切に入れて読みやすい文書を作成することが大切です。
読み手を意識して、どうすれば読みやすい文書になるかを考えましょう。
特にツールを使って文字起こしをした場合、句読点や余白のないひとかたまりの文章になりますので、整文をする際に読みやすさも意識して改行や余白を入れるようにしましょう。
必要のない情報は記載しない
会議での発言をすべて議事録に残そうとすると、内容が煩雑になりすぎて、重要な発言が伝わらなくなったり、読み返す際に時間がかかったりするなどの弊害があります。
挨拶や本筋から外れた会話などは議事録に残す必要はありません。また、話が長くなった場合は、要約して記載するなど工夫をしましょう。
5W1Hを記載する
5W1Hとは、「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」のことです。
発言者が伝えたい内容を5W1Hに沿って記載すると、誰が読んでも分かりやすい文章になります。
個々の発言だけでなく、会議の決定事項についてもこの5W1Hを意識して記載すると、会議の内容が明確に伝わるすぐれた議事録を作成できるのでおすすめです。
5W1Hは議事録だけでなく、日々の口頭での報告でも使えるので、社会人であれば覚えておきたい情報整理の方法です。
一般的な議事録の記載項目
ここでは、議事録には何を記載すればいいのか、一般的な項目を解説します。
会議のテーマ
「A製品の販売促進についての会議議事録」など
日時・場所
「2022年7月〇日 本社会議室」など
参加者
「佐藤営業部長、鈴木次長、山田課長、田中」など
*上役から順番に記載していきます。
会議の要旨
販売促進A案
客先にサンプル品を配り、既存品との比較をしてもらう。
その後、徐々に既存品からの切り替えを提案して、売上〇%増を見込む。
〇月〇日からサンプル品を配布開始。×月×日までに配布完了。
詳細内容
「要旨」の内容がどのような経緯で決まったのかを、発言者が分かるように記載します。
次回の会議予定
「次回△月△日または未定」など
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議事録を作成した後にすること
議事録を作成したら参加者へ配布します。
配布の方法には以下のようなものがあります。
・メールに添付して送信
・印刷して配布
・クラウド上で共有
紙に印刷して回覧、確認印を押してもらうというやり方であれば、参加者に目を通してもらったことの証左になります。しかし、ペーパーレスで効率化が優先される場合は、メールやクラウドでの共有が方法として一般的です。手間もかからずコストも削減できるため、なるべくデータでの配布が好ましいでしょう。ただし、しっかりと読んで確認してもらう、確認したことを報告してもらうなど、確認が必要な場合はその対策も必要になります。
議事録の配布のコツはスピード感
議事録は会議が終わったらなるべく早く配布することが大切です。
記憶が新しいうちに議事録を読み直せば、不自然な点や足りないところがあれば修正がしやすくなります。また、記憶を定着させやすいことで、決まった内容を行動に移しやすくなります。
議事録を素早く作成するには、デザインや細かい文言に時間をかけるよりも、書式などに取り決めがない場合は、内容が伝われば問題ないと考えた方がよいでしょう。
また、一から議事録を作成するよりも、一度すべて文字起こしをしてから編集をすると、格段にスピードが上がります。
しかし、文字起こし自体に時間をかけていては効率が悪いので、文字起こし自動化ソフトを使用して時間を短縮する方法をおすすめします。
クラウド型の文字起こしサービスである「SACSCRIBE(サクスクライブ)」を利用すれば、音声から自動で文字起こしが可能です。
文字起こしをしている間は、他の作業もできるので、業務が滞ることはありません。また、SACSCRIBE上で編集・校正も行えるので、同一画面上で議事録の作成をすべて完了させられます。
スピード感をもって議事録を配布するためには、SACSCRIBEのような自動文字起こしサービスを上手に活用しましょう。1時間分の文字起こしを無料で利用できるため、試しに使ってみることもおすすめです。
まとめ
議事録の作成は、読み手を意識して読みやすい文章にすることが大切です。
誰が話したか、何を決定したかなど必須の記載項目があるので、必ず記載漏れが無いようにしましょう。
また、議事録の作成はスピード感が大切です。参加者の記憶が新しいうちに議事録を配布して、早い段階で内容をおさらいしてもらうといいでしょう。
議事録を上手に作成できれば要約する能力があるということなので、普段の報告も上手にできるようになります。