会議の議事録や講演会のまとめ資料作成で行うテープ起こしは、素起こし・ケバ取り・整文の3種類があります。素起こしは発言内容をそのまま文字にする方法で、ケバ取りは素起こしから不要な言葉を取り除く方法です。
整文は読みやすく内容をまとめたもので、インタビューや取材でよく使われます。今回は不要な言葉を削り、比較的読みやすい形にする「ケバ取り」について解説します。
ケバ取りとは具体的にどのような作業なのか、どのような用途があるのかなどを解説するので、気になった方は最後まで読んでみてください。
ケバ取りは不要な言葉を削る作業
ケバ取りは会話の内容から不要な言葉や意味のない言葉を削除し、読みやすい形にする作業です。人が会話をしていると、言い間違いや言い淀み、笑い声など色々な言葉が混じってきます。
ケバ取りは話している内容や雰囲気を崩さず、文字として読みやすい形にできるため、読みやすい文章にできます。会話の相手によってケバ取りの程度は異なりますから、言い淀みや言い間違い、口癖の多い相手ほどケバ取りの効果が高いと言えるでしょう。
より読みやすい内容にまとめる整文の前段階としても必須の作業で、テープ起こし業者も行う作業です。
ケバ取りで削除する8つの不要語
ケバ取りでは明確な基準は設定されていないものの、不要とされる8種類の言葉を削る作業があります。次の8種類の言葉を削ることで、読みやすいケバ取りの文章になります。
- 言い間違い
- 言い淀み
- 笑い声
- 日本語の使用間違い
- 相槌
- 沈黙
- 自問自答
話し言葉では時折噛んでしまったり、言葉の言い間違いがあったりします。そうした部分はケバ取りの対象となり、正しい言葉に直さなければなりません。
「えー」や「あー」などの言い淀み、日本語のちょっとした使用間違いもケバ取りでは正しく文字として書き直す必要があります。ケバ取りは読みやすく、正しい言葉として文章化することが必要です。
また、「アハハ」などの笑い声、「うんうん」「はい、はい」などの相槌、「どうなんだろうな…」などの自問自答は、意味のある言葉として成立しないため、ケバ取りで削除しましょう。
そして、会話の最中に訪れる沈黙も当然ながらケバ取りでは不要なので、文字に起こす必要はありません。
ケバ取りですべきことは余計な言葉を出来るだけ少なくし、読みやすくすっきりとした形にすることです。誰が読んでもわかりやすいように、ケバ取りでは意味の通る文章に直してください。
証拠資料として残す場合はケバ取りしない
ケバ取りを行わず、そのままの文章を使用する場合は「逐語起こし」とも呼ばれます。通常はケバ取りの方が読みやすいのですが、あえて逐語起こしをするケースもあります。
そのケースというのは、裁判の証拠資料や研究資料などに使用する場合です。こうしたケースでは読みづらさよりも内容の正確さが求められるため、会話の内容をそのまま文章化されます。
逐語起こしは素起こしとも言いますが、使用目的に応じて利用されます。裁判資料や研究資料として逐語起こしを行う場合は、テープ起こし業者に依頼すると費用もその分高くなるので、その点には注意しましょう。
素起こし・ケバ取りなら文字起こしツールが低コストで便利
録音されたテープや動画を文字起こしする場合、素起こしやケバ取りをテープ起こし業者に依頼するのは費用的にも負担です。そこで利用したいのが簡単で、スピーディーに文字起こしをしてくれる文字起こしツールです。
テープ起こしを業者に依頼すると、素起こしでも1分当たり200円前後がかかります。1時間の録音であれば1万2,000円が必要となり、複数件依頼すればかなりの費用です。
一方、文字起こしツールのSACSCRIBEの場合は、1分当たり35円と業者に依頼するより低コストでテープ起こしできます。文字起こしのスピードも1時間の音声が15分前後で完了し、急いで議事録等を作成したい要望にもピッタリです。
まとめ:ケバ取りは文章作成の重要作業
テープ起こし作業において、ケバ取りがどのような作業なのか紹介しました。ケバ取りは会話の内容から不要な部分を削除するとともに、後で読む人にわかりやすい形に整える目的もあります。
言い間違いや言い淀み、相槌などの余計な言葉は文章化の邪魔になります。文字起こしを行う際は不要な単語をすべて削りましょう。
素起こしからケバ取りを行うのも相当に時間を使用しますから、文字起こしツールを使って素起こしするのがおすすめです。素起こしした内容を再度音声で聴いてケバ取りし、文章として間違いがないか確認する、という使い方が便利です。
使い方は人それぞれですが、便利なツールを上手く使い、作業の効率化を目指しましょう。