誰でもできるインタビュー結果のまとめ方と分析方法

自社の製品やサービスを改善するためには、顧客などから直接意見を聞くインタビュー調査が有効です。
インタビュー調査を実施すると、インタビュー結果として多くの意見が集まります。インタビューをしたのはいいが、さてそれをどうするかというところで悩むこともあるでしょう。
インタビューは、その結果を適切にまとめることによって、そこからさまざまな利用価値が生じます。
本記事では、インタビュー結果のまとめ方や分析、意見の整理方法などについて解説します。

インタビュー調査とは

インタビュー調査とは、単体または複数の人にインタビューをすることで、対象者からのリアルな声や行動の理由などを情報収集する方法です。

対象者の本音を上手に聞き出す質問術や、インタビューした内容を正確に分析する技術などが必要になります。

インタビュー調査の手法には大きく分けて、「デプスインタビュー」と「グループインタビュー」があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

デプスインタビュー

英語の「デプス(depth)」には「深さ」という意味があり、デプスインタビューとは対象者と1対1で会話して、より詳細で深い意見を聞くインタビューのことです。
デプスインタビューには次のようなメリットがあります。

  • 対象者の考えを掘り下げてニーズを把握できる
  • なぜそのサービスや商品を選んだのかという購買プロセスを直接的に確認できる
  • 忌憚のない意見を聞ける

このように、デプスインタビューは、対象者に意見を深堀して話して欲しいときに有効な方法です。ただし、他の人と意見をブラッシュアップできないため、アイデアが偏り、新たな発見が生まれないケースもあります。

グループインタビュー

デプスインタビューと対をなす方法が、グループインタビューです。その名の通り、数名のグループごとにインタビューを行います。グループインタビューには、以下のようなメリットがあります。

  • お互いの意見を聞いて新たな発見が生まれやすい
  • 比較的低コストでインタビューが可能
  • 議論が活発化しやすい

グループインタビューでは、1人ひとりの持ち時間もあるため深い意見を聞くのは難しいというデメリットがあります。しかし、他の人の意見を聞くことから発想を得て新たな発見が生まれるなど、これまでに無い視点を得ることにもつながります。

関連記事:グループインタビューとデプスインタビューの違いは?それぞれのメリット・デメリットも解説

インタビュー結果のまとめ方

インタビュー調査を行ったら、結果をまとめて報告書を作成する必要があります。ここでは、報告書作成までの流れを解説します。

インタビューの発言録を作成する

インタビュー結果を分析する前に、まずは参加者の発言録を作成しましょう。
インタビューはメモを取ることも大切ですが、ICレコーダーに音声を録音しておくと、漏れがなく効率的に調査が可能です。
発言録に必要な内容は以下の通りです。

  • 発言者
  • 通し番号(発言時間でも可)
  • 内容

通し番号を付けることで、分析中にどの発言かを共有しやすくなります。内容については、基本的には「あー」「えー」などの不要な言葉を取り除いた整文で記録すると読みやすいでしょう。

インタビュー内容を分析する

続いては、発言録をもとにインタビューの会話から、どのようなことが分かるのか分析します。
インタビュー分析は当初設定した目的に対して、何か新しい発見があるか・現在の問題を解決できるか・主観ではなく科学的根拠に基づいた結果であるかなどを意識することが大切です。

調査報告を作成する

インタビュー内容の分析ができたら、調査報告書を作成します。調査報告書に記載する基本的な項目は以下の通りです。

  • 調査の目的
  • 調査方法(デプスインタビューやグループインタビューなど)
  • 調査結果の要約
  • 詳細な分析結果

上記は基本項目なので必要に応じて項目を追加して、インタビューの内容に適した調査報告書を作成しましょう。

インタビュー結果 まとめの分析方法

続いては、インタビュー結果の分析方法を詳しく解説します。

KJ法

KJ法とは断片的な意見やアイデアを分かりやすく整理するための手法です。作成した発言録にはすべての情報が記載されていますが、羅列であるためそれぞれの関係性や繋がりを把握しにくくなっています。
そのためKJ法では、まず意見をグループ分けして関係性を図に表します。

相関図はツリー型やフロー型など、インタビュー内容に応じて使いやすいものを選びましょう。相関図を作成することで、それぞれの意見の立場が図解化されるので頭の中で整理ができます。
この相関図をもとに調査報告書の詳細な文章を作成していきます。

KA法

KA法とはインタビューした生の声から、対象者の価値観や潜在的なニーズまでを汲み取り、それらをグルーピングして分析する手法です。
KA法ではインタビューを分析しやすくするために、意見を細かく分析するためのKAカードを作成します。

KAカードを作成することで対象者の心理をより深く分析できます。しかし、慣れていないと自分の主観が入ってしまうため、本当の心の声を把握できなくなり、見当違いな報告書を作成してしまう恐れがあります。
慣れないうちはKJ法で分析を行い、対象者の心理を把握できるようになってきたらKA法でも分析を行うといいでしょう。

インタビュー結果を分析する方法と考え方

インタビューの結果を分析する際には、いくつかの方法があります。以下は、一般的なインタビュー結果の分析方法のいくつかです。

テーマ性の抽出とカテゴリー分け

インタビューのテキストから共通のテーマやパターンを見つけ出し、それに基づいて情報をカテゴリー分けします。これにより、異なるトピックや側面に焦点を当てることができます。

コーディングとテーマ分析

インタビューデータをコード(ラベルやキーワード)でマークし、それに基づいてパターンやテーマを抽出します。コーディングは、特定のトピックや意味のある単位に対してコードを付与するプロセスです。

質的データ分析手法

インダクティブまたはデダクティブな手法を使用して質的データを分析します。インダクティブアプローチでは、データからパターンを発見し、デダクティブアプローチでは理論や既存の知識に基づいてデータを分析します。

量的データ分析手法

インタビュー結果が数値で表される場合、統計的手法を使用してパターンや傾向を分析します。これには、回帰分析、相関分析、クロス集計などが含まれます。

ソフトウェアを使用した分析

分析ソフトウェア(例:Microsoft Excel、SPSS、STATAなど)を活用して、大量のデータを体系的に整理し、効果的に分析することができます。

重要なのは、選択した分析方法が研究の目的や質問に合致していることです。また、分析の過程で柔軟性を持ち、新しい洞察やテーマが浮かび上がった場合にそれに対応することも重要です。

インタビュー結果のまとめ方は文字起こしサービスが便利

インタビュー調査では発言録や報告書を作成する際に、インタビューの音声を聞きながら文字起こしをする作業があります。数人程度の文字起こしであれば手間がかかりませんが、人数が多くなると録音時間が長くなるので文字起こしをするのに膨大な時間がかかってしまいます。
そのようなときは、文字起こし専門サービスを利用しましょう。文字起こし専門サービスは、パソコンに音声データをアップロードするだけでAIが自動で文字起こしをしてくれます。
クラウド型の文字起こしサービス「SACSCRIBE(サクスクライブ)」では、音声データの文字起こしから文章の編集・校正、データの管理まで、インタビュー結果の報告書作成に必要な作業を完結できます。

SACSCRIBEは文字起こしの精度が高いので誤字脱字が少なく、句読点も自動で入力されます。文字起こしをしたら、あとは少しの手直しだけで報告書が完成します。
初回は1時間分の文字起こしが無料なので、ぜひお気軽に試してください。

関連記事:インタビューの文字起こしを効率化する6つの方法

まとめ

インタビュー調査とは、自社の製品やサービスなどを開発・改善するために、対象者からリアルな声や意見を聞くことです。
インタビュー調査には一人に対して深く話を聞く「デプスインタビュー」と複数人から意見を聞く「グループインタビュー」があります。
インタビュー結果が出たら、発言録を作成して結果を分析します。分析にはKJ法やKA法を使うと頭の中が整理され、客観的な報告書を作りやすくなります。
インタビューの音源を文字起こしするのは、人数が多くなるほど時間がかかるので、文字起こし専用サービスを利用して手間を削減しましょう。

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