グループインタビューのスムーズな進め方!メリットやデメリットも解説

消費者の購買動機や心理を探る際に、頻繁に活用される調査方法がグループインタビューです。

初めてグループインタビューをする場合、多くの貴重な意見を集めるには、進め方やメリットを知ることが大切です。

この記事では、グループインタビューの進め方やメリット・デメリットを解説します。

グループインタビューとは

グループインタビューは、6人前後で一つのグループを作り、調査内容について意見を発言してもらう形式のインタビューです。

インタビューには定性調査と定量調査があり、グループインタビューは定性調査に分類されます。

 

定性調査:商品の感想や購入の動機など対象者の考えを調査する

定量調査:購入額やリピート率など数値で現れるデータを調査する

 

定性調査であるグループインタビューは、参加者が活発に意見を述べることで、消費者の考えや心理を調査できます。

グループインタビューは参加者の発言を促すために、モデレーターと呼ばれる司会者が進行します。

インタビュー場所は、自社の会議室やレンタル会議室などでおこなわれることが一般的です。

グループインタビューの進め方 

グループインタビューは、企画立案から始まり対象者の選定・会場の手配などをして、インタビュー当日を迎えます。

ここでは、グループインタビューの進め方を解説します。

グループインタビュー内容の決定

グループインタビューを実施するには、インタビュー目的や内容を決定する必要があります。

目的が明確になっていないとインタビューの軸が定まらず、得たい情報が手に入らない可能性があります。

インタビューの根幹となる部分のため、慎重に検討してください。

事前に決めておくべき項目は、以下の通りです。

  • 何の商品についてインタビューをおこなうのか
  • 商品についてどのような意見を収集したいのか
  • 1グループあたりの人数
  • グループ数

この段階で参加者の人数を決めておくと、会場の手配や必要な機材の数量も決められます。

直前になり会場を予約しようとしても、予約で埋まっている可能性があるため注意しましょう。

グループインタビュー対象者の選定 

グループインタビューは、年齢や性別・生活スタイル・職業などの条件から対象者を選定します。

インタビューを実施したい商品は、開発段階でターゲットを決めているものです。

開発段階で想定していたターゲットに近い対象者を集めるといいでしょう。

例えば、20代女性の社会人を対象にした商品のインタビューで、50代男性ばかり集めても求める意見は集まらない可能性があります。

ただし、すべての条件に当てはまる人だけを集めるのは難しいです。

2つ以上の条件に当てはまれば対象者とするなど、柔軟に対応するといいでしょう。

グループインタビューの準備 

グループインタビューが実施する日が近づいたら、撮影・録音機材などの準備をします。

グループインタビューで発言が活発になると、手書きのメモでは追いつかないことがあり、音声を録音するのがおすすめです。

また、当日の質問内容や質問の優先順位、時間配分も決めておきましょう。

すべての質問ができない可能性があるため、必ず聞いておきたい質問は最初の方に済ませてください。

グループインタビューの実施

グループインタビューは、一般的に90~120分で実施されることが多いです。

余裕を持った運営をするには、1日2~3グループまでがいいでしょう。

インタビュー中は、モデレーター以外は部屋を出て、バックルームなどで様子を見てください。

インタビュールームに大勢の人がいると、参加者が緊張して意見が出ない可能性があります。

収集したデータの分析・報告

インタビューが終了したら、インタビューで出た意見をテキストでまとめます。

まとめた意見をもとに、分析をおこないレポートを作成します。

インタビュー内容のテキスト化は、時間がかかるので注意が必要です。

一般的に文字起こしをするには、録音時間の5倍の時間が必要だといわれています。

120分のインタビューを実施すると、10時間かかることになります。

インタビューの意見をテキストにまとめるには、AI文字起こしサービスの「SACSCRIBE(サクスクライブ)」を利用するのがおすすめです。

SACSCRIBEはクラウドに音声をアップロードするだけで、自動で文字起こしが完了します。

文字起こしにかかる時間を大幅に削減でき、業務を効率化できます。

グループインタビューのメリット

グループインタビューは、参加者同士で意見をブラッシュアップでき、短時間で多くの意見を収集できます。

ここでは、グループインタビューのメリットを解説します。

参加者同士で意見をブラッシュアップできる

グループインタビューでは参加者同士が話し合い、お互いの意見を聞いてブラッシュアップされていきます。

その結果、主催者が予想していなかった貴重な意見を聞ける可能性が高まります。

短時間で多くの意見を収集できる

1対1で実施されるデプスインタビューは、一人分の意見しか収集できません。

しかし、グループインタビューは複数人から同時に意見を聞くため、効率的に多くの情報を収集できます。

グループごとの比較ができる

グループインタビューでは、性別や居住地域・年齢などで属性分けをしてグループを作ります。

属性でグループを分けると、男性と女性の意見の違いや、年齢別の意見の違いなどを比較可能です。

グループごとの意見の違いを比較・検証すると、新たな商品開発や既存商品の改善に役立つでしょう。

グループインタビューのデメリット

グループインタビューは、意見の深堀が難しく、成否がモデレーターの能力に左右されます。

ここでは、グループインタビューのデメリットを解説します。

意見の深堀が難しい

複数人が意見を出し合うグループインタビューでは、一人一人が発言する時間は限られて、意見を深堀するのが難しいです。

商品の購入に至った思考や使いにくいと思うポイントなど、意見を深く聞きたいのであれば、デプスインタビューが向いています。

モデレーターの能力に左右される

グループインタビューで多くの意見を集めるには、モデレーターの慣れが必要です。

話が盛り上がっていれば少し長く時間を取り、これ以上意見が出ないと感じたら時間を短くするなど、臨機応変な対応が求められます。

予定している質問や時間配分はありますが、場の雰囲気を読みながら進行しましょう。

少数派の意見が聞けないことがある

日本人は自己主張が苦手で、自分の意見が少数派だと感じると、発言をやめてしまうことがあります。

グループインタビューでは少数派意見の人が主張できるように、モデレーターが多くの意見を汲み上げるようにしましょう。

少数派の意見も参考にすれば、さまざまな立場や視点から報告書を作成できます。

まとめ

グループインタビューとは、6人前後がグループになり、対話形式でさまざまな意見を発言するインタビュー形式です。

グループインタビューには、参加者同士で意見をブラッシュアップして、短時間で多くの貴重な意見を収集できるメリットがあります。

ただし、意見の深掘りは難しく、モデレーターの能力も必要とされます。

グループインタビューのメリットやデメリット・進め方を理解して、自社に有益な情報を集めてください。

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