文字起こしには素起こし・ケバ取り・整文の代表的な3種類があります。いずれも用途に応じて使い分けるのが一般的ですが、あらゆる文字起こしの基本となるのが素起こしです。
今回は素起こしについてピックアップし、素起こしの基本、素起こしをする際のコツ、文字化するうえでの表記のルールを解説します。
素起こしの基本
素起こしとは会話や音声を不要な言葉も含め、すべての言葉を文字にするものです。素起こしでは通常省略する「笑い声」「相槌」など、本来意味を持たない言葉もすべて文字化します。
日本語に間違いのある内容だったとしても、そのまま忠実に文字として再現しなければなりません。ただし、周囲の環境音や雨音などは音声を構成するものではないため、その部分に関しては無視しても構いません。
素起こしは裁判資料や研究資料として利用されることから、内容の間違いがあると後で困ることになります。素起こしは重要な文書で利用される方法なので、間違いのない文字化が必要です。
素起こしする際のコツ
素起こしでは効率的に進めるためのコツがあります。3つのコツがあるので、詳しく解説します。
- 最初は通しで音声を聴く
- 再生スピードを聞き取りやすい速度にする
- わからない部分はタイムコードを記載する
最初は通しで音声を聴く
まず1つ目のコツとして、最初に音声を通しで聴くことをおすすめします。なぜいきなり素起こしに移ってはいけないのか、その理由を解説します。
最初に一度聴いた方が良い理由には2つあり、どちらも素起こしを進めるうえで大事です。
- 誰が何を話しているかわかりやすくなる
- 会話の要点を把握できる
上記の理由があるからです。動画なしで音声のみの場合、声で誰が話しているのか判断しなければなりません。
会話の要点も一度聴いただけでは理解が難しく、文字に起こすうえで、内容がわからないと文字化する効率が大幅に落ちてしまいます。こうした理由から、一度通しで聴くことでスムーズな文字起こしができるでしょう。
再生スピードを聞き取りやすい速度にする
音声を再生する際、それぞれに聞き取りやすい速度があるはずです。0.8倍速や0.5倍速など速度を調整し、自分にとって聞き取りやすく、文字起こしもしやすい速度を探してみてください。
音声内で話す人の声の高低や話す速度、音質によっても適切な速度は変わります。聞き取りやすい速度に調整し、文字起こしをスムーズに行いましょう。
分からない部分はタイムコードを記載する
音声を聞き取っていると、どんな人でも聞き取りにくい言葉や理解できない言葉は出てきます。わからない部分にこだわりすぎて、その箇所ばかりを聴くのは非効率です。
分からない箇所については「○○分○○秒」というタイムコードを記載し、後で再度聴き直してみましょう。もし聴き返してもわからない場合は、別の人に確認するか、可能なら本人に尋ねてみてください。
分からない部分はタイムコードだけを記載し、まずは一通りの内容をチェックすることが大事です。
文字起こしするうえでの表記のルール
文字起こしをする際は依頼元のルールもありますが、一般的な表記のルールもあります。もちろん、依頼元なりのルールがある場合にはそちらに従うべきですが、基本は知っておくと他の依頼でも応用できます。
まず知っておきたいのは、ひらがな・カタカナ・漢字の使い分けについてです。基本のルールは次の通りです。
- ひらがな:擬音語以外はひらがな(ガタガタ・ゴロゴロなどは擬音語)
- カタカナ:固有名詞・擬音語・英語で使用
- 漢字:助動詞・補助用語以外は漢字(「~のようです)等)
上記以外にも依頼元によって、細かい言葉の指定がされる場合があります。細かい内容については、依頼元が用意しているマニュアルを必ず確認しましょう。
また、数字の表記についてもルールがあります。
- 数字はアラビア数字を使用(1・2・3…)
- 漢数字は熟語や固有名詞にのみ使用
文字起こしは基本的に上記のルールに沿って行われるため、間違えを少なくできるよう意識してください。依頼元によっては、アラビア数字も半角か全角か指定されるケースもあります。
細かい指定については各依頼元へと個別に確認してみましょう。
まとめ:素起こしならSACSCRIBEの利用もおすすめ
音声の素起こしを行う際、手作業で行うのは工程も多く、非常に手間が掛かります。音声を聞きながら文字を打ち、わからなかった部分は数秒前に戻ってまた打ち直す、という作業の繰り返しです。
手間の掛かる文字起こし作業は、自動で文字起こしをしてくれる便利なツールを使用する方法もおすすめです。SACSCRIBEではワンクリックで音声を素起こしし、音声認識の精度も高いので安心して任せられます。
SACSCRIBEはmp3、mp 4、wav、m4aなど主要なファイル形式にも対応しています。文字起こしの手間を簡略化したいなら、クラウド型でスマホ・パソコンどちらでも利用できるSACSCRIBEを利用してみてください。