会議の内容を記録することは、組織の生産性や情報共有を高めるうえで重要な役割を果たします。しかし、何を、どのように記録すべきか迷うこともあるでしょう。
本記事では、会議の記録に役立つ具体的な方法や、見落としがちな記録ポイントを解説します。手書きメモからAI文字起こしまで、さまざまなツールやテクニックを活用し、効率的かつ正確に会議内容を管理する方法を学びましょう。これを読むことで、議事録作成の悩みを解消し、次の会議準備にも役立てることができます！
会議の内容を記録するメリット
会議の内容を記録することには、以下のようなメリットがあります。
情報の共有と確認
会議に参加できなかったメンバーや他の関係者に、内容を正確に共有することができます。たとえば、海外出張中のメンバーや別プロジェクトに関わる部署に対し、議事録を送ることで情報のギャップを埋められます。また、「前回話した決定事項を忘れてしまった」という事態を防ぎ、記録を見返すことで参加者全員が同じ認識を持てます。
担当や責任の明確化
記録には、タスクの担当者や期限、具体的な次のアクションが明記されます。たとえば、「新製品のプロモーションプランを来週までに作成する」といったタスクを山田さんが担当する場合、記録があることで責任の所在が明確になります。これにより、「誰がやるべきだったのか」といったトラブルが未然に防げます。
効率的なフォローアップ
会議記録を参照することで、次回の会議や業務でスムーズなフォローアップが可能です。たとえば、前回の会議で「製品開発の進捗状況を次回報告する」と決まっていた場合、その記録を元に必要な準備が行えます。これにより、会議の無駄な時間を減らし、効率的に議論を進められます。
記憶の補完
人間の記憶は時間が経つにつれて曖昧になります。特に複雑な議題や長期プロジェクトの場合、記録は重要です。たとえば、数ヶ月前に決まったプロジェクトの詳細を思い出す際、記録がなければ不確かな記憶に頼ることになりますが、正確な議事録があれば安心です。
法的・運用上のエビデンス
特に契約や予算の取り決めが議題に含まれる場合、記録は後日のトラブル回避に役立ちます。たとえば、「A社と納品スケジュールについて合意した内容」が記録に残っていれば、スケジュール変更が発生した場合も対応がスムーズです。また、記録をナレッジとして蓄積することで、似たような案件での対応に役立ちます。
学習と改善
過去の会議記録を振り返ることで、進行方法や議論の質を改善するヒントが得られます。たとえば、「前回の会議では時間配分が適切でなかったため、今回からはタイムキーパーを設定しよう」といった具体的な改善策を導き出すことができます。特に、プロジェクトの振り返りや次のフェーズへの移行時に役立ちます。
会議の何を記録すべきか
会議記録を効果的に活用するためには、重要なポイントを的確に押さえることが大切です。以下は、会議の記録に含めるべき主な項目です。
1. 会議の基本情報
会議が「いつ」「どこで」「誰によって」開催されたかを記録します。これにより、会議の背景や出席者を後から確認しやすくなります。
記録する内容の例
- 日時：会議の開催日時（例：2024年11月21日 10:00～11:30）。
- 場所：会場や使用したオンラインツール（例：Zoom会議室A）。
- 参加者：出席者と欠席者のリスト。必要に応じて役職や担当も記録します（例：山田太郎（司会）、鈴木花子（記録担当））。
- 議題：会議で話し合うテーマやトピック（例：次期プロジェクトの進捗確認）。
2. 議論の要点
会議中に話し合われた内容の中から、重要な意見や提案を記録します。これにより、後で何が議論されたかを素早く把握できるようになります。
記録する内容の例
- 各議題についての主な意見や提案（例：新商品の発売日を6月に前倒しする提案）。
- 反対意見や懸念点も含めて記録（例：追加コストの懸念が挙げられた）。
- 結論に至らなかった議題も、今後の議論に備えて記録。
3. 決定事項
会議で合意された内容を明確に記録します。決定事項は、後からの確認やタスク実行の指針となるため、特に重要です。
記録する内容の例
- 具体的な内容：何が決定されたのか（例：次回の全体会議を12月15日に開催）。
- 背景や理由：その決定に至った根拠（例：進捗報告のタイミングとして適切と判断）。
- 変更の可能性：必要に応じて、決定内容が変更される条件も記載します。
4. タスクと担当者
会議で決まったアクションプランやタスクを記録し、それぞれの担当者を明記します。これにより、責任の所在が明確になります。
記録する内容の例
- タスクの内容：具体的な実施事項（例：新商品のデザイン案の修正）。
- 担当者：タスクを実行するメンバー（例：佐藤次郎）。
- 期限：タスクの完了期限（例：2024年12月5日まで）。
5. 次回会議の予定
次回の会議が決まっている場合は、その日時や予定議題を記録しておきます。これにより、参加者が事前準備を進めやすくなります。
記録する内容の例
- 日時：次回の会議日時
- 場所：予定されている会場やオンラインツール
- 議題：次回の主なトピック
会議の内容を記録する主な方法
会議の内容を正確かつ効率的に記録するには、目的や状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。以下では、記録方法を具体例とともに紹介します。
1. 手書きで記録する
方法
ノートやメモ帳を使って手書きで記録します。必要に応じて箇条書きや図解を取り入れながら、重要なポイントや決定事項を簡潔にまとめます。
メリット
- 必要な情報だけを選んで記録できるため、要点を整理しやすい。
- デジタル機器が不要なため、どのような環境でも対応可能。
デメリット
- 記録量が多い場合、情報が抜け落ちる可能性がある。
- 後から共有する場合にデジタル化が必要。
活用例
アイデア出しのブレインストーミング会議で、ホワイトボードに書かれた内容をそのままノートに記録。
2. パソコンやタブレットで記録する
方法
会議中にノートパソコンやタブレットを使い、メモアプリ（例：Microsoft Word、Google Docs、Evernote）でリアルタイムに記録します。
メリット
- デジタル形式で保存されるため、編集や共有が容易。
- テンプレートを事前に用意しておくことで効率的に記録が可能。
デメリット
- タイピングに集中しすぎて議論に参加しづらい場合がある。
- 電子機器の故障やバッテリー切れに注意が必要。
活用例
プロジェクト進捗会議で、議題ごとに事前に用意したフォーマットに沿って議事録を作成。
3. 録音・録画を活用する
方法
会議中に録音デバイスやオンライン会議ツールの録画機能を使用します。重要な部分だけをメモし、詳細は録音・録画データを見直して記録を完成させます。
メリット
- 会議の内容を詳細に記録でき、聞き逃しや記録漏れが防げる。
- 記録を後から再確認できる。
デメリット
- データ量が大きくなりやすく、管理が手間。
- プライバシーや機密情報の保護に注意が必要。
活用例
重要な契約交渉の会議で、録音した内容を文字起こしツールを活用して議事録を作成。
4. AI文字起こしツールを利用する
方法
Zoom、Microsoft TeamsなどのAI文字起こし機能を使用し、会議中の発言をリアルタイムで記録します。
メリット
- 発言内容を自動で記録し、手作業を大幅に削減。
- キーワード検索や要約機能を活用することで効率的に必要な情報を抽出可能。
デメリット
- 録音環境によっては誤認識が発生する可能性がある。
- 有料サービスの場合、コストがかかる。
活用例
オンライン会議でAI文字起こし機能を利用し、後から要点を編集して共有可能な議事録を作成。
5. 専用の議事録テンプレートを活用する
方法
議題、参加者、決定事項、アクションアイテムなどを記載するテンプレートを事前に用意して記録します。
メリット
- フォーマットが統一されているため、誰が作成しても分かりやすい。
- 必要な情報だけを効率的に記録できる。
デメリット
- 複雑な議論ではテンプレート外の内容を補足する必要がある。
活用例
部門間の調整会議で、決定事項やタスクを明確に記載することでフォローアップを円滑に実施。
6. ビジュアル記録を用いる
方法
会議中にホワイトボードや付箋を活用して内容を図や表で記録し、終了後に写真撮影して共有します。
メリット
- 情報が視覚的に整理され、理解しやすい。
- 短時間の会議やブレインストーミングに最適。
デメリット
- 後からデジタル化する手間がある。
- 細かい内容をすべて記録するのは難しい。
活用例
新製品のアイデア会議で、ホワイトボードに書いたアイデアをそのまま写真に撮影して全員に共有。
7. 録音・録画データを自動文字起こしして活用する
会議の録音や録画データをAI文字起こしツールでテキスト化し、それをもとに議事録を作成する方法です。この方法は、詳細な議論や長時間の会議内容を効率的に記録するのに適しています。録音や録画したデータを使い、重要なポイントや決定事項を整理することで、手間を大幅に削減できます。
たとえば、Microsoft TeamsやZoomの録画機能を活用し、そのデータをSACSCRIBEなどの文字起こしツールでテキスト化します。その後、テキストデータを確認・編集し、最終的な議事録としてまとめます。
メリット
- 会議内容を詳細に記録でき、聞き逃しが防げる。
- 作業の自動化で記録作業の負担を軽減。
- 発言者やキーワード検索機能により、特定の情報を迅速に抽出可能。
デメリット
- 録音環境によっては誤認識が発生する場合がある。
- プライバシーや機密情報の保護に注意が必要。
- 一部のサービスは有料で追加コストがかかる場合がある。
活用例
重要なプレゼンテーションを含む会議を録画し、文字起こしツールを利用して詳細な議事録を作成。参加者全員が記録を見返すことで、合意事項やタスクの再確認がスムーズになります。
SACSCRIBE(サクスクライブ)を活用して文字起こしを効率化
AI文字起こしツールとして人気のSACSCRIBEを活用して、文字起こしを効率化する方法を紹介します。
サクスクライブにログイン
サクスクライブはオンラインツールです。アカウントにログインして利用します。さまざまなデバイスからアクセスできるため、チームでの利用などにも向いています。
料金体系は以下の通り。利用枠とは文字起こしを実行する音声データの長さを示します。どの程度の利用が見込まれるかに応じてプランを選択しましょう。初回登録では1時間分の無料枠がありますので、実際に使用感を試してみると良いでしょう。
| プラン | ベーシック | ミニマム | ライト | スタンダード | プレミアム |
| 月額料金 | 0円 | 990円（税込） | 2,750円（税込） | 4,950円（税込） | 19,800円（税込） |
| 利用枠 | 1時間（初回のみ） | 3時間 | 5時間 | 10時間 | 60時間 |
| AI要約 | ○ | ○ | ○ | ||
| 料金 | 利用枠超過時1分38円（税込） | ||||
音声ファイルのアップロード
サクスクライブは非常に簡単に直感的な操作が可能です。
音声ファイルのアップロードも、ファイルを選択するか、下図の青枠内にドラッグ・アンド・ドロップするだけです。
上でも述べたように、タイトルは管理しやすいように必要な情報を盛り込むようにしましょう。
サクスクライブが対応している音声ファイルの種類は多く、今のところmp3, mp4, wav, m4a, ogg, aac, amrに対応しています。一般的な動画ファイルの文字起こしも可能です。
非対応の形式のファイルを使いたい場合は、拡張子の変換について以下の記事をご覧ください。
iPhoneで録音撮影した.m4aや.movファイルの.mp3への変換方法
文字起こしの確認と編集
サクスクライブに音声ファイルをアップロードし、任意のタイトルを入力、右下の「登録する」のボタンをクリックし、ポップアップ表示でさらに「登録する」を選択、遷移した画面で「依頼する」を選択すると、AIによる自動文字起こしがスタートします。ファイルの長さにもよりますが、30分ほどで文字起こしが完了します。
サクスクライブの長所として、AIによる精度の高い文字起こしが可能なだけでなく、自動で文字起こしされたテキストを、画面上で編集・校閲できて、そのための機能も充実している点があります。
校正画面で音声を聞きながらテキストができ、再生/一時停止、巻き戻しや早送りなどの頻繁に使う機能をショートカットキーでクリック操作なしで行える点も、実際に文字起こしを行う人たちに大変好評なポイントです。
