自動文字起こしのための録音のコツ〜録音後の書き起こしまで紹介

インタビューや取材などから原稿を起こす際、とても大切になるのが録音です。

雑音だらけで、取材対象の音声も聞き取れないほど小さい場合、たとえプロの文字起こしライターでも対応が難しいような場合もあります。

録音がクリアにできていれば、自動文字起こしを使ってもほとんど修正の手間なく、きれいに書き起こせます。

この記事ではインタビュー原稿の録音・自動文字起こしを使った原稿作成について紹介します。インタビューに限らず、議事録や講演会などにおいても基本は同じです。

準備編

まずは準備編、録音に欠かせないICレコーダーについて紹介します。

ICレコーダーは2台用意

インタビューにおいてはICレコーダーは1台ではなく、2台用意しておいたほうがいいでしょう。どちらかが使えなくなった場合のサブとして、あるいはメイン機でうまく録音できなかった部分をサブ機で補ったりして使います。

インタビューの録音は基本的に一発勝負で録り直しがききません。慎重すぎるくらいの準備をして臨みましょう。

ICレコーダーの選び方

ICレコーダーはタイプ違いで2〜3個持っておき、状況に合わせてメイン・サブを決めるのがおすすめです。選び方の基準をリストにしました。

特に音の指向性については、タイプ違いで持っておいた方がいいでしょう。1対1なら指向性か2指向性、1対複数なら無指向性を使うなど、状況に応じて使い分けられるようにすると便利です。

 

音の指向性

無指向性:周囲の音をまんべんなく集音します。会議、1対複数の取材などに向いています。

指向性:特定の方向の音を集中的に集音します。インタビューや講演会の録音などに向いています。

2指向性:2人の話者の声を集音します。1対1のインタビューや対談に向いています。

 

集音方法

モノラル:1つのマイクで集音するタイプです。安価なモデルに多いです。

ステレオ:2つのマイクで集音するタイプです。立体的な音声になるため、会議などでは話者が特定しやすくなります。比較的高価なモデルに多いです。

 

充電方法

バッテリー式:手軽に繰り返し充電可能なタイプです。小型・軽量のものが多いのも魅力です。ただし、充電を忘れてしまうと使えなくなるため注意。

電池式:うっかり充電切れを起こしても、出先で電池を買い足せるため便利です。ただし電池がなくなるたび買い足さなければならないのでコストがかかる、電池が入っている分だけ大きくて重いのがデメリットです。

ハイブリッド式:バッテリーと電池、どちらも使えるタイプです。

 

圧縮方法(保存形式)

音声データの圧縮方法や保存形式もチェックしておきましょう。独自の保存形式だと、パソコンにデータを移して書き起こしをする際に不便になることがあります。mp3, mp4, wav, flacのいずれかで保存できるものを選ぶと便利です。

リニアPCM録音などの非圧縮形式やハイレゾ対応のレコーダーは、音声データをとてもクリアに保存できるため、歌声や楽器演奏などを録音する場合におすすめです。インタビューにおいては、そこまで重要視しなくていいかもしれません。

 

記録方法

内蔵メモリ:音声データは画像や動画ほど容量が大きくないため、基本は内蔵メモリで十分です。

外部メモリ:数日間におよぶ学会など、長時間にわたる録音を何度も行うなら外部メモリがあると安心です。

 

その他の便利機能

USB端子内蔵:専用のコネクタがなくても、音声データを楽にパソコンに移せて便利です。

再現速度調整:耳で聴きながらテープ起こしをする場合はあったほうがいい機能です。音源を150%〜200%で低速再生しながら書き起こせます。

ノイズキャンセリング:胸ポケットなどにすっぽりおさまる小型のタイプに多い機能です。衣擦れの音などを軽減してくれます。

スマホの録音機能を使ってもOK?

親しい間柄など、状況が許すなら使っても大丈夫です。なかなかマイクの精度も高く、便利機能も充実しています。特にiPhoneとMacbookを使っているような場合は、Airdropを使って音声データをパソコンに無線で飛ばすこともできます。

ただ途中で通知音が入ってしまったり、通知を消すときなどに誤操作で録音が途切れたりと、気が散ってしまう場面も。保存形式もiPhoneの場合.m4aという独自形式になってしまうため、基本的には避けた方がいいでしょう。

録音編

ここからはインタビューにおいて、クリアな音源を録るコツを紹介します。インタビュー以外、会議や講演会などでも基本は同じです。

なるべく静かな場所で

話している時は気にならなかったけれど、後から音源を聴きなおしてみると、隣に座っていた人の話し声や笑い声がかなりの音量で入っていた…というケースは多いもの。カフェなどざわざわした場所、BGMのかかっている場所は録音精度が落ちやすい傾向があります。会議室など静かな場所を選ぶと良いでしょう。

どうしても周りが騒がしい場合は、指向性のICレコーダーを話者に向けて置く、少し大きめの声で話してもらう、メモを普段よりしっかり取る等、ひと工夫必要です。

無理に明瞭な声で話す必要はなし

明瞭な方が自動文字起こしの精度は上がるものの、不自然さが出てしまってインタビューに支障をきたすようでは本末転倒です。最近は自動文字起こしの精度も上がっているので、静かな部屋であれば無理してハキハキ話さなくても大丈夫です。自分も相手も気持ちよく話ができることを最優先にインタビューを行ってください。

自動文字起こしが苦手とするシーンでメモを残す

インタビューにおいては「ICレコーダーで録音しているから安心」と思わず、メモの併用をおすすめします。

残念ながら自動文字起こしは万全ではなく、ミスを起こしたり、録音が苦手なシーンがあります。そんな場面においてはメモをとっておいた方が安心です。

  • 数字(日付、金額など)
  • 辞書に載っていない用語(人名・会社名・専門用語など)
  • 周りがざわざわしているとき(カフェでのインタビューなど)
  • 大きな音がかぶったシーン(救急車の音など)

これらは誤変換が起きやすいシーンなので、重点的にメモをとっておくといいでしょう。

自動文字起こし編

良い状態で録音ができれば、文字起こしもサクサク進められるはずです。ここからは自動文字起こしプラットフォームサービス「SACSCRIBE」を使った自動文字起こしの方法を紹介します。

良い録音ができれば、耳で聴きながらでもサクサク書き起こしはできますが、人の話す速度は思った以上に速いです。音源を速度調整で150%〜200%に引き伸ばして行うのが普通で、慣れていないと時間もかなりかかります。

SACSCRIBEを使えば、多少の手直しは必要ではあるものの、インタビューの最初から最後まで自動で文字起こしをしてくれます。かなりの時短になりますので、ぜひ使ってみてください。

省略せず、なるべくしっかり文字起こしする

作りたい原稿の種類や文字数にもよりますが、インタビュー原稿はなるべく省略せず、全文をしっかり文字起こしした方がいいとされています。

インタビューの内容を箇条書きなどでメモ書き程度に起こしてしまうと、細かいディティールが伝わらなくなったり、原稿執筆時に「これ実際はどう言っていたっけ?」と何度も録音の聴き直しをする羽目になりかねません。

自動文字起こしをする

SACSCRIBEを使って自動文字起こしをします。

SACSCRIBEはほとんどのICレコーダーで採用されている保存形式、mp3, mp4, wav, flacに対応しています。クリック&ドラッグしてしばらく待つだけで音源の書き起こしができます。

手動で改行を入れる

できあがった原稿を手直しします。

まずは原稿をWordやGoogleドキュメントなど扱いやすいファイルにコピー&ペースとで移し、手動で改行を入れます。求められる原稿の種類によっては、話者を追記します。

同じ誤りをしている部分を置換する

自動文字起こしは音を分析して自動変換するため、誤った漢字変換になる場合があります。「助成事業」を「女性事業」に誤変換してしまうようなことも多いため、同じ間違いを何度か繰り返している部分は、検索・置換機能を使って置換すると便利です。

辞書に載っていない単語や、同じ読み方で違う漢字がいくつもある人名なども自動文字起こしの苦手分野です。こちらも置換機能を使って直しておきましょう。

「えーと」「あのー」を削除する

「えーと」や「あのー」など、意味のない発声も置換機能を使って削除します。

あとは手動で手直し

ここまで直せば、かなり読みやすい原稿になっているはずです。あとは手動で誤変換や、意味のないところに入っている句点、読み取れなかった言葉などを補えば、文字起こし原稿が完成します。

自動文字起こしの文章をもとに、原稿を執筆する

あとは文字起こしの文章をガイドにしながら、インタビュー原稿を執筆するだけです。

良い録音と文字起こしができれば、原稿作成もサクサク進む

良いインタビュー原稿を書くには、もちろんインタビューが上手いことが第一条件ですが、録音と文字起こしも実はとても大切になってきます。録音がうまくいかなかったり、文字起こしをおろそかにしてしまうと、大切な部分を抜かしてしまったり細かいニュアンスが伝わらなかったりして、イマイチな原稿になりかねません。

ぜひクリアな録音とSACSCRIBEを使った自動文字起こしを、インタビュー原稿の執筆にお役立てください。